日常生活におけるe-KYC技術の適用事例

Examples of e-KYC technology in action

本稿では、本人確認技術の適用事例をご紹介します。本人確認には様々な種類があり、e-KYCもその一つです。e-KYCとは何か、それをどのように使って本人確認を行うかを見てみましょう。

e-KYCは、「Know Your Customer」の略称であるKYCから進化したものです。意味はそのまま「顧客を知るプロセス」です。KYCは顧客の身元を正確に識別して確認するのに役立ちますが、e-KYCは顧客の身元確認をオンライン上で行うプロセスです。

タイでは、e-KYCが人気となり、広く利用されています。オンラインショッピング、QRコード決済、送金など、日常生活の多くの活動には、本人が口座の所有者であることを確認するためにe-KYC手順が含まれています。さらに、カスタマーサービスに電話をかけたり、銀行支店に出向いたりする時間を無駄にする必要はありません。

e-KYCにおける2つの主要なプロセス

  1. 識別:これは、サービスプロバイダがユーザーの身元を確認するために、身分証明書(IDカード)、電話番号、Eメールなどの情報や証拠を要求するプロセスです。
  2. 検証:これは、以前にログインして本人確認を行った人物と同一人物であるかどうかを確認するプロセスです。これには、作成したアカウントへのログイン、設定したパスワードの入力、登録した電話番号のSMS経由でOTPコードの要求、顔をスキャンしてアプリケーションにアクセスするなどの方法が含まれます。

識別と検証についてより理解できるように、カシコン銀行のK PLUSアプリケーションで銀行口座開設の例を見てみましょう。

アプリケーションをダウンロードした後、以下の手順に従う必要があります。

  1. IDカード番号またはパスポート番号、および生年月日を入力します。
  2. サービスタイプを「eセービング口座を開設」に選択します。
  3. 個人情報をすべて入力します。
  4. 口座を開設するための検証方法を「IDカードで検証」に選択します。
  5. 身分証明書を「K CHECK ID」サインのあるK-ATMに持参して本人確認を行います。
  6. K PLUSアプリケーションに戻って顔をスキャンします。
  7. パスワードを設定します。
  8. K PLUSアプリケーション経由SMS経由で申請状況を確認します。

上記のすべての手順から、識別プロセスは1、3、6、および7のステップで行われます。カシコン銀行でIDカード情報(ステップ1で入力)による検証プロセスが行われます。

ご覧のように、K PLUSアプリでは本人確認の手順が複数ありますが、検証にはIDカードのみが使用されます。では、他の情報はどのような場合で使用されるのでしょうか?

識別検証方法使用例
1. 身分証明書情報[K CHECK ID」サインのあるK-ATM銀行口座の開設
3. 個人情報、電話番号OTP(ワンタイムパスワード)個人情報の編集
6. 顔スキャン顔認識5万バーツ以上の取引には顔スキャンが必要
7. パスワード設定パスワードログイン、一般取引
身元データ使用のまとめ

これらの例によってe-KYCの適用方法を想像できると思います。

e-KYCのメリット

✔ サービスプロバイダはオンラインチャネルを通じてユーザーから情報を迅速に収集できるため、ユーザーはサービスプロバイダの場所に向かう時間を無駄にする必要がありません。

✔ これはデータ収集を電子化するプロセスです。これにより、紙ベースのプロセスが排除され、データ漏洩が防止され、紙の使用が削減されます。

データの暗号化と安全な保管により、不正アクセスのリスクを軽減できます。

✔ 金融詐欺やマネーロンダリングを防止します。

現在、e-KYC は特にモバイルバンキングアプリを介したオンライン取引において、日常生活の一部となっています。この技術により、取引がより便利かつ迅速になり、詐欺師による個人情報の盗難も防止されます。

さらに、e-KYCの使用により対面なしでオンライン取引を提供する金融機関の信頼が高まり、リスクが軽減されます。e-KYCによってユーザーの身元をしっかりと把握できるからです。

参照元:

https://ginkgosoft.co.th/digital-transformation/e-kyc/

https://www.dittothailand.com/dittonews/gov-what-is-e-kyc/

イメージ: Freepik

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