2024年以降、タイでさらに動きのありそうなe-Tax化への準備はできていますか?

タイにおけるe-Tax導入の背景

e-Taxは、紙のインボイス(請求書)・タックスインボイス・レシート(領収書)を電子化するシステムです。タイでは2015年より政府主導でキャッシュレス方針が促進され、国家電子決済(National e-Payment)プロジェクトが開始されました。e-Taxは、このプロジェクト計画の1つです。

e-Taxの目的

・電子税申告書と電子領収書の発行により納税申告の手続きを簡素化し、民間企業における納税手続きの所要時間と手順を削減する。

・民間企業はすぐにタックスインボイスとレシートを得意先へ送付できる。

・規定した期間内にタイの税務署へデータを提出できる。

尚、中小企業・大企業・商店・飲食店でもe-Taxを利用可能です。*

*e-Tax Invoice & Receiptは売上額・資本金額の制限なし

  e-Tax Invoice by Emailは年間売上額3千万バーツ以下の企業が使用可(2023年12月現在)

e-Taxシステム導入によるメリット

1)時間、手間とコストが削減

  •  紙のタックスインボイスとレシート作成と印刷(紙と印刷コスト削減)
  •  得意先への送付(時間と手間の削減、送り忘れや控え収集ミス撲滅)
  •  紙の保管(保管スペースの削減)

2)データ検索が簡単になり、データを他のシステムでも利用可能

3)最初のステップでの起業家による納税書の確認が免除

4)電子ファイルには、デジタル署名とタイムスタンプが付けられ、送信者の身元を確認可能

5)ファイルが改ざんされていないか確認できるため、安全性と信頼性の獲得

e-Taxシステムを導入するために、準備が必要なことは?

タイ国歳入局は、2028 年までにすべての企業がデジタル課税に参入するよう促進しています。e-Tax導入が義務化される前に緩やかにDX化を進めるべく、下記のような準備を推奨します。

✓  歳入局ウェブサイトよりe-Tax タックスインボイス・レシートの発行と提出の申請手続きを行う

✓  https://www.thaidigitalid.comより電子署名を登録

  e-Taxシステムを導入して、自ら税務署のウェブサイトへデータをアップロード

  社内でe-Taxシステムを導入できない場合は、外部のサービスプロバイダーにアウトソーシングすることも可能

  紙の電子化とプロセス変更について取引先・仕入先・得意先と事前に同意を得るようにする

⇒企業によっては依然として紙を無くせない可能性があるため、関係者の協力を求めながら、プロセス変更を依頼する必要があります。

アイコネクト開発のe-Tax申請フォーマット変換支援ツール

弊社アイコネクトでは、ある大手金融企業向けにe-Taxシステムの機能を開発した実績があります。 以前この企業は、紙形式でタックスインボイスを税務署に、レシートを得意先に送付していました。タックスインボイスとレシートのデータは、テキストファイル形式でデータベースに保管されていました。

このテキストファイルをe-Tax申請時に必要なフォーマットとされるXMLファイルへ変換する機能を開発し、デジタル署名を付けて、税務署へ送付するデータを用意しました。併せて、得意先へ送付するレシートデータを(紙の代わりとなる)PDFファイルへ変換する機能も開発しました。

上記の実績をきっかけに、紙ベースの税務書類を電子形式に切り替えたい企業に対応できるよう、e-Tax支援システムを開発しました。

現状のe-Tax インボイスシステムには、次のような機能があります。

  • 使用者は、タックスインボイスとレシートのデータをExcelファイルとして用意し、e-Tax Invoiceシステムへアップロード。
  • 税務署のウェブサイトへアップロードできるよう、システムはデータをXMLファイルへ変換し、デジタル署名を付ける。
  • 得意先へ送付するために、システムはデータをPDF化し、デジタル署名を付ける。

以前ご紹介した電子文書管理システム『EZコントロール』とe-Taxシステムを組み合わせて導入することで、実際の紙の使用量も削減できるため、更におすすめです。

タイでのe-Tax導入のご相談の方、システムデモをご覧になりたい方、紙資料のペーパーレス化にご興味をお持ちの方はお問合せフォームよりご連絡ください。

関連記事:タイでe-Tax invoice/e-Receiptシステムを利用するにはどうすれば良いか?

イメージ: Freepik

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