量子コンピューター (Quantum Computer)

  現在はCPU開発技術はほぼ行き詰まり状態になっています。トランジスタサイズは7ナノメートルであり、より小さなトランジスタを開発することはほとんど不可能です。そのため、 新世代のコンピューターを開発するには、新しい科学分野を使用しなければならないのです。量子コンピューターはその中の一つです。

  量子技術は、次のような特徴を持つ非常に小さな粒子に関連しています。

  1. 重ね合わせ(Superposition):同じ原子に2つの状態がある、もしくは別々の場所に同時に存在すること
  2. 量子もつれ(Entanglement):量子粒子には「スピン」特性があり、上下に回転できます。 量子粒子が結合または崩壊すると、2つの粒子が絡み合い、光子を発射して粒子を分割するか、単一の光子をセパレーターに発射します。 一つの粒子がプラスであることが観察されると、距離が離れていても、もう一方は常にマイナスであることが観察されます。 アルバートアインシュタインは、この現象を「Spooky, action at a distance」と呼びました。これは、2つの粒子が離れた場所で瞬時に相互作用する可能性があることを意味します(EPRパラドックス)。

  量子ビットは量子コンピューターで扱われる情報の最小単位です。従来のコンピューターで扱われるビットは、情報の最小単位を0か1だけで表したが、量子ビットでは、0と1のほか、0と1とを重ね合わせた状態も表すことができます。(※1)

(※1参照元:https://kotobank.jp/word/量子コンピューター

  米Google CEO(最高経営責任者)のSundar Pichai(スンダー・ピチャイ)氏がGoogle I/Oイベントで53量子ビットの量子コンピュータを実現したと発表しました。「Sycamore」という超伝導プロセッサを使用して、温度を最大20 mK(ミリケルビン)いわゆる-273.13℃まで下げ、超伝導状態で量子ビットを生成しました。

  これにより、電子が量子重ね合わせ状態を形成したり、0と1を繰り返し迅速にスピンしたりするための電気エネルギーが生成されます。これは、IBMのスーパーコンピューターで計算に1万年かかるとされたSchrödinger-Feynmanのアルゴリズムを実行するのにわずか200秒しかかかりませんでした。(但し、IBM側は、スーパーコンピューターの計算には2日半しかかからず、非常に大きな結果を書き込むにはハードディスクが必要であると主張しました。)

  一方、中国は別の方法を使用して「九章」(Jiuzhang)と名付けられたの量子コンピューターを構築しました。これは、光子ビームアライメントツールを使用し、300個のビームスプリッター、75個のミラー、ガウシアンボソンサンプリングで構成され、スーパーコンピューターより25億年速い200秒以内に処理できます。

  量子コンピュータが実際に使い物になったら、長所と短所の両方があるかもしれません。メリットとしては、機械学習処理で量子コンピューターが利用できます。 ビッグデータを活用して、数秒以内に予測モデルを作成することができるようになります。医療上のメリットとしては、量子コンピューターでDNAデータを処理し、各患者に最適な薬を生成することができます。更に、わずか数秒でがん細胞を通常の細胞と区別することができます。

  一方、量子コンピューターを実際に使用できる場合に発生する可能性のある問題は、世界の金融取引を数秒で復号化できることです。つまり、ハッカーは量子コンピューターを使用して、非常に安全な暗号通貨ウォレットでお金が保護されていても、1時間以内に世界中のお金をハッキングすることができるのです。

  しかし、量子コンピューター技術は現在研究中で、今後50年以内に実用化が見込まれますが、10年や20年以内ではないでしょう。